ザクロオイルの主成分「プニカ酸」とは?~管理栄養士 松下真子先生コラム(3)   

ザクロは非常に脂質が少なくて、取れる量は極少量。そのオイルに、他の植物油脂に類を見ないほどの特徴があります。

ザクロオイルに特徴的で、特に注目したいのが60~70%以上を占める「プニカ酸」

よく耳にするオリーブオイルに多いオレイン酸(オメガ9)やグレープシードオイル等に多いリノール酸(オメガ6)なども含まれますが、オメガ5の「プニカ酸」という脂肪酸は他に含む植物が少ない希少な種類で、健康効果も大変期待されています。(脂肪酸のオメガとは、メチル基の末端から数えて何番目に最初の二重結合があるかで、オメガ5、6、9等に分類されます)

この「プニカ酸」の効果を知って、美容と健康に役立てていきましょう。

【目次】

  • プニカ酸とは
  • プニカ酸の5つの健康効果
  • プニカ酸を効果的に摂るポイント

1.プニカ酸とは

脂質はその構造によって色々な種類に分類されますが「プニカ酸」は「共役リノレン酸」という、非常に健康効果が期待され、世界中で注目されている!とても珍しい脂肪酸の一種です。

「共役リノレン酸」は、αリノレン酸(オメガ3。魚油に多く、体に良い効果が高い脂肪酸)という必須脂肪酸(体内で作られない脂肪酸)の一つの二重結合が自然の中でトランス化したもの。

共役リノレン酸は数種類ありますが、ザクロオイルは共役リノレン酸の中でも特に健康効果が期待されている「プニカ酸」の含有量が大部分を占めていて、美容やサプリメントなど幅広く使われている大注目のオイルです。

「プニカ」とはラテン語で「ザクロ」のことを意味するほど。

「プニカ酸」は、いまのところ発見されているのがザクロ種子やカラスウリなど限られた植物種子に含まれる大変希少な脂肪酸です。

2. プニカ酸の5つの健康効果

プニカ酸の健康効果については日々研究が進められている段階ですが、現在分かっている代表的な健康効果を5つご紹介します。

  • 抗がん作用

非情に強い抗酸化作用・強力な抗炎症作用・直接的にがん細胞の増殖を抑える働きもあるという論文が多数あります。乳癌、結腸癌および前立腺癌細胞には著しい抗腫瘍効果があると言われています。

尚、抗酸化作用とは細胞の酸化(さび・劣化)を防いで、病気予防やエイジングケアなどの基本となる大切な作用です。

  • 美容効果(美肌・美髪)

お肌の内側からは、コラーゲンの生成や皮膚内部の細胞にはたらきかけて再生・修復を助ける。外側からは、皮膚のバリア機能を増強する働きもあり、肌のアンチエイジング(シワ・たるみ・くすみ・シミ)や血流を改善し、美髪効果がある他、皮脂調整機能でニキビ対策にも役立ちます。

ザクロの産地は、砂漠や高原という乾燥と紫外線が非常に強い地域ですが、美肌や美髪を保っている方がとても多く、その秘訣はザクロを種ごと食べていることが大きく関係していると言われています。

  • 脂肪代謝・肥満改善

脂肪細胞に直接的にはたらき、脂肪細胞内へ余分な脂肪を取り込む酵素の働きを阻害する。

脂肪を分解する酵素を活性化して脂肪を燃えやすくしてくれるので、肥満改善に繋がります。

  • 抗炎症作用・免疫力アップ

炎症を抑えてアレルギーや皮膚炎、関節炎など、炎症が原因で起こる症状に有効なことや粘膜の炎症を抑えることで免疫にも関係します。

慢性炎症は、生活習慣病や老化など様々な健康被害につながりますので、日ごろから炎症を抑えることはとても大切ですね。

  • 生活習慣病予防に期待

血圧やコレステロール・血糖コントロールにも良い効果があることが示唆されているので、心臓病の予防などが期待できて、今後の更なる研究結果が楽しみなところです。

3. プニカ酸を効果的に摂るポイント

プニカ酸は熱に弱いため、加熱すると分解される可能性があります。そのため、加熱せずに生の食品やオイルで摂ることがおススメです。

まさにスーパーフードといえる「ザクロ」積極的に摂って、いつまでも若々しく健康で人生を楽しんでいきましょう!

記事制作:管理栄養士 松下眞子(まつしたまさこ)

2001年 東京家政大学家政学部栄養学科を卒業。 同年に、管理栄養士国家資格を取得し、管理栄養士としての活動をスタート。 大手自動車メーカーの集団給食業務を経て、糖尿病専門クリニック、内科、健診センターで栄養と生活指導や特定保健指導を行う。

指導件数は延べ2500件以上になり、食と生活習慣・心理状況の関係性が深いことを痛感し、心理学を活かした食事・生活指導を企業や個人向けに行う。

その他、いちご大学アカデミアの講師・栄養セミナー・料理教室・雑誌・web記事の監修など。「食から笑顔と愛を広げよう!」をモットーに活動をしている。

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