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【論文紹介】 ザクロのEDへの効果
- 2024/4/28
- ザクロと健康 生殖効率(能力)とそのメカニズム
加齢とともに発症率が高まる「ED(勃起不全)」。日本では、40代以上の男性3人に1人の割合でEDに該当するといわれています。さらに年々増加しており、10代や20代の若い年齢でも不安やストレスが原因で症状を経験することが増えているようです。
そのEDの改善に、ザクロの効果を示す論文がありますのでご紹介します。
【目次】
1. ザクロのED改善効果(ウサギを対象とした研究)
(1)目的
(2)方法と結果
(3)結論
2. ザクロのED改善効果(ヒトを対象とした研究)
(1)目的
(2)方法と結果
(3)結論
3. まとめ
1. ザクロのED改善効果(ウサギを対象とした研究)
(1)目的
ウサギの海綿体虚血における酸化ストレスのマーカーを探索し、抗酸化物質の長期摂取が動脈新生性勃起不全(ED)に及ぼす影響を調べた。
(2)方法と結果
【方法】
海綿体内血流と陰茎勃起に対し、ザクロジュースを長期的に摂取し、その影響をウサギモデルで調べた。
勃起組織を処理して、酸化ストレスと平滑筋の弛緩、一酸化窒素合成酵素(NOS)の免疫組織化学的染色、および組織形態測定を評価した。
【結果】
- ザクロジュースはマクロファージの低密度リポタンパク質酸化を減少させ、細胞の酸化ストレスの抑制を示した。
- 動脈新生EDのウサギモデルは、海綿体内血流の減少、勃起不全、平滑筋弛緩の喪失、内皮NOSおよびニューロンNOSの減少、誘導性NOS発現の増加、びまん性海綿状線維症、および酸化生成物イソプロスタン8-エピ-プロスタグランジンF2αの海綿状レベルの増加を示した。
- ザクロジュースの長期摂取は、NOS発現に有意な影響を及ぼさず、ED群および対照群において、海綿体内血流の増加、勃起反応の改善、平滑筋の弛緩を改善した。
- ザクロジュースの摂取は、ED群の勃起組織線維症を予防した。
- ザクロジュースの長期摂取は、治療されたED群の勃起組織繊維症の予防にも役立つことを発見した。
(3)結論
動脈新性EDは、おそらく本質的なメカニズムを介して、勃起組織に酸化生成物を蓄積する。
酸化ストレスは、動脈新性EDの病態生理学において非常に重要である可能性があり、抗酸化療法は、EDの平滑筋機能障害および線維症を予防するための有用な予防ツールである可能性があります。
2. ザクロのED改善効果(ヒトを対象とした研究)
(1)目的
国際勃起機能指数質問票(IIEF)とグローバルアセスメント質問票(GAQ)を用いてザクロジュースの効果を検証した。
(2)方法と結果
【方法】
21〜70歳までの男性60名。
軽度から中等度のED(国際勃起機能指数質問票(IIEF)で評価)、および同意した女性パートナーとの安定した一夫一婦制の関係性がある人を対象として調査。
プラセボ群と8オンス(約237ml)のザクロジュース群に分けて、それぞれ28日間摂取した。
2週間のウォッシュアウト期間の後、積極的治療に切り替え、IIEF質問票とグローバルアセスメント質問票(GAQ)で評価した。
【結果】
GAQの改善傾向を観察した(P = 0.058)。副次的有効性評価項目であるIIEF質問票の勃起機能ドメインのアップグレードには到達しなかった。
(3)結論
ED治療のためのザクロ抽出物の比較的短期間の使用を伴う小さなサンプルサイズの試験であるという制限があったにも関わらず、ザクロ抽出物が軽度から中等度のEDを改善する効果のシグナルがあった。
ED治療におけるザクロ抽出物の有効性を評価するための検出力の高いランダム化比較試験がさらに必要である。
3. まとめ
EDは、糖尿病や脊髄損傷、神経の病気、動脈硬化や脂質異常症、ストレスや不安、うつ病、医薬品の副作用など様々な要因があります。今回ご紹介した論文では、ザクロがEDに対する効果として、直接的な栄養素や機序については述べられていませんが、ザクロは大変強力な抗酸化作用、抗炎症効果があることや糖尿病や高血圧、脂質代謝の改善など様々な健康効果がEDに作用していると考えられます。
基本的な予防や改善には、運動や睡眠、良い食習慣やストレスをためないことがとても大切ですが、さらにザクロで補えると良いですね!皆さまの健康と笑顔を願っています。
<参考文献>
.2005年7月;174(1):386-93.
DOI: 10.1097/01.ju.0000161209.39959.67.動脈原性勃起不全における酸化ストレス:抗酸化物質の予防的役割
Kazem M Azadzoi 1, Risa N Schulman, Michael Aviram, Mike B Siroky
2013 Mar 26. doi: 10.1155/2013/701434男性の泌尿器科の健康管理におけるザクロ抽出物:科学的根拠と前臨床および臨床データKroeger N., 1 , 2 Belldegrun A. S., 1 and Pantuck A. J. 1 ,*
--------------------------------------------------------★記事制作:管理栄養士 松下眞子(まつしたまさこ)
2001年 東京家政大学家政学部栄養学科を卒業。 同年に、管理栄養士国家資格を取得し、管理栄養士としての活動をスタート。 大手自動車メーカーの集団給食業務を経て、糖尿病専門クリニック、内科、健診センターで栄養と生活指導や特定保健指導を行う。
指導件数は延べ2500件以上になり、食と生活習慣・心理状況の関係性が深いことを痛感し、心理学を活かした食事・生活指導を企業や個人向けに行う。